CORPORATE REVITALIZATION COLUMN

企業再生コラム

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COLUMN09

企業再生とスポンサー探索

自力再生が困難なケースや、一刻も早く再生企業から脱皮する為には、スポンサーを招聘するのが効果的である。

良いスポンサーは、再生会社の信用力を補完するばかりか、業績の向上や固定費の圧縮、更にはノウハウの提供や業務の効率化にも大いに貢献してくれる。

然しながら、どのようにして良いスポンサーを発掘するかが問題である。

企業再生の為にスポンサーになって欲しいと頼んではみても、簡単にスポンサーになってくれる企業は先ずあり得ない。

再生会社のスポンサーに就任するという事は、スポンサー企業にとっても大きなリスクであり、再生企業がそれなりに魅力的であっても躊躇するのが当然である。

企業規模に大きな差があれば、それ程リスクを認識する必要はないが、再生をしくじると相応のダメージをスポンサー企業も受けてしまう。

スポンサー企業のメイン金融機関も積極的には賛成しないし、スポンサー就任に至っては詳細な説明を求めてくるのが通常であろう。

即ち、スポンサー企業自体が相応のメリットを享受できる事が数値的にも明らかであり、決して冒険的なスキームではない事を理解してもらわないとスポンサー就任の期待はできない。

スポンサー企業の発掘には、如何に多くのスポンサー候補へ精緻な打診ができるかが一つのポイントとなる。

案件にもよるが、弊社は、最低20社程度の企業へ打診をしないとスポンサー企業は発掘できないものと考えている。

再生企業のスポンサー募集である事を大っぴらにはできないから、その発掘は必然的に精緻な資料(スポンサーが納得してくれる資料)を準備した上で慎重に動くこととなる。

信頼できるネットワークを通じて、「機密保持契約書」を締結しながら、スポンサーを説得し理解を得るという地道な活動が必要となる。

加えて、スポンサーが下手に再生企業に対するデューデリジェンスを行うと、再生企業の従業員や取引先が動揺し、それが原因でトラブルに発展する事もあるから注意が必要である。

再生企業のスポンサー発掘は、通常のM&Aによる買い手候補の探索のようなやり方では容易に発掘できないことを留意しておく必要がある。

以上